グアヤキルの西、約150キロメートル。バスで約3時間の所にサリーナスはある。この町はエクアドルで最も西にある都市で(ガラパゴスは除く) エクアドル最高のビーチリゾートと言われている。この国最高の海岸は如何なものか確かめる為に私はこの地へ降り立った。
グアヤキルからのバスは市場近くのバスターミナルの前で停車する。ターミナルとは言ってもチケットを売る小さな建物とバスが数台止まれば一杯になる敷地があるだけ。ここから5分毎にグアヤキル行きバスが出発しているらしい。
空は雲に覆われ全く青空が見えない。湿気もほとんど感じず潮風が吹いていて涼しい。1〜3月が最も暑く賑わうらしいが11月はまだ良い気候では無いという事か。
ホテルを数軒当たるが何処も15ドル以上。6軒目で15ドルを10ドルにすると言うので決めたがこの部屋も10ドルの割には水シャワー。全部の宿を周った訳ではないが全般的に高い印象を受ける。5連休の初日に行ったのが間違いだったのだろうか？
海岸沿いにある観光案内所に立ち寄り地図をもらおうとしたら在庫切れとの答え。じゃあこの町のお勧めはどこ？と質問をしたら海岸、教会、そして案内所の2軒隣にある博物館の3箇所らしい。また危ない所はあるか確認したら危ない所は特に無く夜でも安全と言っていた。
サリーナスの町は海に沿って細長い。海岸通りにはホテルや別荘などの高い建物がいくつも建ちその間に背の低い観光客用のレストランやバーが建てられている。海岸沿いに遊歩道がありアクセサリー、服の売り子やデザインが書かれた冊子を持って歩くなんちゃって刺青屋を所々で見かける。歩行者は多く外国人の姿も目立つが割合的にはエクアドル人の方が多そうだ。
海岸はそこそこの人出。涼しい日なので人が少なくて当たり前か。海岸はヨットハーバーに区切られて西側と東側にある。東側の方が狭いが市中心部が近い。西側は数km海岸が続き観光案内所ではこちらの方がお勧めだと言っていた。砂浜や海の色は特に綺麗ではなく江ノ島や外房とあまり変わらない印象。ただ東側の海岸は赤い海草が打ち上げられていて汚かったので西側の方が確かに良いかも。
波打ち際では水上バイク、バナナボート、足漕ぎボート、船のクルーズを勧めてくる男達が待ち構えている。海岸にはパラソルが立てられその下には椅子が並べられている。少し離れた所でおばちゃんが見張っていて使ったら金を請求されるようになっている。他にもアイス、アクセサリー、ハンモック、かごなどの売り子が徘徊していて五月蠅い。ギターを持ったグループも歩いていて金を払えば歌ってくれる。警備の為か白い制服を着て警棒を持った水兵のグループも歩いている。
海岸で座ったり海岸通りをウロウロしていたら一度断った物売りのおばちゃんに顔を覚えられたらしく他の観光客には愛想良くするが私には声を掛けてこなくなった。何回か歩いていたら間違えたらしく遠くでわーわー騒いでいた。近づいたら私だとわかったらしく｢なんだあの中国人か｣と動きを止めた。失礼な奴だ。他にもベンチで座っていたら爺ちゃんに｢中国人か？｣と聞かれたので｢日本人だ｣と答え短時間話した。彼が立ち去ろうとした時に知り合いが来たようで｢今、中国人と話をしていたんだ｣と言っていた。日本人って言ったんですけど・・・ 5歳位の女の子が｢私はお母さんにチナ(中国人)って呼ばれているの。だから何か頂戴｣だって(苦笑) 勿論、あげる物は何も無いと言って断った。どういう論理やねん。
※エクアドル人でも目の細い人はチノ･チナと呼ばれる事がある。
観光案内所お勧めの教会を訪問。黄土色の壁にとんがり屋根が特徴。周りが公園になっていてその中にはCDや服、アクセサリーを扱う小さな出店が軒を並べている。元々期待していなかったがやはりその通りであった。
夜になると街灯にバーやレストランに明りが灯る。海岸通りも通行人が多いままだ。確かに危ない雰囲気はしない。暇なので波打ち際で波の音を聞いていた。波の音は日本と同じで落ち着いた雰囲気になる。下手な音楽を聴くよりもこっちの方が良いと思うのは私だけだろうか。その時にすれ違ったのは家族連れ、カップル、若い男女のグループなど。男1人で歩く私が一番怪しかったかもしれない・・・
私は1泊してこの町を去った。エクアドルの海岸は期待するのが間違いだとわかった。もし訪ねる人がいれば過度の期待はしない事を勧める。
エクアドル南西部グアヤス州の最西にある人口2万人程度の町。エクアドル最高のビーチリゾートと呼ばれている。