ベトナム旅行記

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フォンニャ・ケーバン国立公園訪問記

 風圧で顔が痺れる。小雨が降る中、森に挟まれた幹線道路をバイクタクシーでフォンニャ・ケバン国立公園へ向かっていた。

公園入口 ドンホイ駅に夜行列車で着いたのが朝の8:00。駅を出てすぐに声を掛けてきたバイタクのおっちゃんにフォンニャに行きたいと言ったら3万ドンと破格の値段。ここから約50kmもあるのに何でそんなに安いんだろうと疑問に思いつつ後ろにまたがる。 するとバイタクは町外れのフォンニャホテルに到着。違うっちゅうねん!

 ガイドブックの写真を見せて、ここだと示すとようやく合点がついたようでそれなら片道6万ドン、往復は片道料金の二倍で私が洞窟へ行っている間に待つと紙に図を書いた。往復11万にしてよと図を指差し、札を片手に交渉。首を横に振るのでじゃあ往復11万5千と粘ると良しわかったと言葉が一切通じないのに交渉成立。バイクは再び走り始める。

チケット売場 おっちゃんの年は30代後半。浅黒くて丸い顔、眠そうな目、鼻と口の間にちょび髭が生えている。白いヘルメットに黄土色のよれたシャツに紺色のスラックスをはいている。途中ガソリンを入れ、雨が降り始めると道沿いの商店に寄ってレインコート買えよと身振りで伝える気のいい人だった。ノーヘルで後部にまたがる事約1時間、途中車のクラクション音に怯えながらようやくフォンニャ・ケバン国立公園に到着する。

 バイタクのおっちゃんとチケット売り場へ。ここで洞窟の入場チケットを買って船を借りなければならない。ここには二つ洞窟があり下にフォンニャ洞窟。上にティエンソン洞窟。フォンニャだけなら3万ドン、ティエンソンも行くなら5万ドン払う。 もう二度と来ることはないだろうから両方見るか。船は10人乗りで10万ドン。14人乗りで12万ドン。高いので他の人とシェアするから待つとチケット売りの姉ちゃんに伝える。

船着場 チケット売り場の前は広い駐車場。すぐそばに川があり船着場に細長い船が多数停泊している。何組かチケットを買っていったがフォンニャにしか行かない。20分位待ったがフォンニャにしか行かないグループしか来ないので上の洞窟を諦めることにした。私と船をシェアしてくれたのはアメリカ在住ベトナム人の家族。英語を話し、デジカメやビデオカメラなど私より良い装備を持っている。子供はアメリカで生まれたようでベトナム語が話せないようだった。バイタクのおっちゃんに待っててねと日本語で言うと良しわかったと頷く。やっぱり言葉が通じなくてもニュアンスで何とかなるんだなと思いながらいざ洞窟へ出発!

洞窟入口 細長い黄色い船で川を上る。船にはパイプ椅子が14脚(二列×七)が積まれていて屋根はビニールシートで覆われている。おばちゃんの船頭が前後に一人ずつと半袖の白いワイシャツ、ネクタイ、黒いスラックスの背の高い若いガイド一人が乗っている。私と船をシェアした人たちは総勢9人。十人乗りでも良かったんじゃ・・・と思うが金があるからいいのか。

 私の隣に座った気の良いスイカ頭に似た(スイカ頭がわからない人はググって下さい)私と同い年位の男があの村はクリスチャンの村だとかこの辺りは昔火山があったとか色々と説明してくれる。ふーん、なるほどと相槌を打っていると船は洞窟の入口に到着。屋根のビニールシートを外しエンジンを停止させ船頭が手で漕いで中へ。

洞窟内部 所々ライトアップされているが真っ暗。ギーコギーコと櫂を動かす音と同乗者の話し声だけが聞こえる。洞窟の全長は約8kmあるそうで、今は手前の1km地点まで観光コースになっている。最初に奥まで辿りついた冒険者って凄いなぁ。それなりの装備は持参していたはずだけれど船が転覆したり沈没したりしたら闇に包まれた冷たい川に放り出されどちらが出口かもわからず絶望の中死んでいくと思うと怖くておいらは嫌だな。

 十数分進むと船は接岸し洞窟内を短時間歩く。ガイドがベトナム語で説明しているがわからない。優しいスイカ氏が英語で説明してくれる。勿論それもほとんどわからない(爆)

ライトアップされた鍾乳石 前日ハロン湾で見た鍾乳洞と比べると足元がそれほど整備されていない。そして規模が小さく雰囲気が似ているのですぐに飽きてしまった。再び同じ船に乗り同じ水路を戻る。約三分の二戻り再び上陸。見慣れた紫や青でライトアップされた石灰岩の洞窟を歩いて出口まで。八歳くらいの太ったスイカジュニアがホテルに帰りたい〜とビービ泣いて何度も立ち止まっていた。帰りたいなら走ればいいのにって思ったけれど疲れて歩けなくなったのだろう。父親のスイカ氏は何度も苦笑いをしていた。船をシェアさせてもらっている身なので彼に合わせてゆっくり進む。

 出口まで来て上の洞窟に行くんだよねと質問される。チケット買ってないし鍾乳洞はもういいやと思ったので一緒に帰ると伝える。帰りの船の中でベトナム人ガイドにフエに行くのにはどうしたら良いか尋ねる。バイタクで国道一号まで出ればバスが拾えるらしい。お願いしたらバイタクに説明してくれるとの事。

川沿いの景色 陸に上がりバイタクのおっさんを探す。ところが約束していた場所にいない。ガイドにちょっと待てと言い残して違う方向へ走ってみたがそれでもいない。ガイド曰く駐車場の人が彼は帰ったと言っているらしい。うぉ、まだ金払ってないんだけど・・・待ち切れなかったんだろうか、急いでいるなら片道分だけ払ったのに・・・複雑な気分。

 更に周囲を巡るも見つからないので道端で待っていた他のバイタクと料金交渉をして後ろ髪引かれながら公園を後にした。

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