今年も沿線に咲き誇る菜の花が見られるのかな。

　ある日曜日、写真のうまい二人に連れられて小湊鉄道へ。 前回小湊鉄道を撮りに来たのは真夏の強い陽射しの日。 青々と繁った稲と車両を絡めて撮った。 今回は三月下旬なので田んぼは干上がり枯れていて寂しい雰囲気なのだろう。 けれど代わりに黄色い菜の花が迎えてくれるに違いない！ 春を感じられる写真が撮れるといいなあ。

　まずは五井。 内房線を降り小湊鉄道の乗換口にある機械にsuicaをタッチし すぐそばにある弁当屋で昼食の調達。 この弁当屋、おばちゃんが一人いてこっちの弁当はおいしいだの こっちの弁当は手塩にかけて作っただの売り口上を上げていた。 おばちゃんお勧め以外の弁当を買ったのだが 何か言わないと気がすまないのか、その弁当もおいしいからと後付けで言っていた。 単なる話好きなのだろうか、それとも彼女の営業スタイルなのか まあ、不味いからやめなさいとも言えないだろうしなあと、ふと思った。 ※サケ弁当だったけど普通においしかった。あまり店がないので鉄道に乗って撮りに行く人は五井で食料を調達した方がよい。

　乗車時に車掌から一日乗車券を購入。（\1,700-） 定刻通り一両の気動車はエンジン音を響かせながら発車する。 車窓から房総の、のどかな景色を眺め、単線の線路を進むこと 約一時間で最初の撮影場所、上総大久保駅に到着した。

　ここは無人駅で小さな駅舎が野原の中にぽつんと建っている。 壁には小学生の書いたトトロの絵が描いてありローカル線の旅情満点だ。

　駅から少し歩くと田んぼに挟まれ線路が高くなっている場所があり その斜面に菜の花が可憐に咲いている。 まだ満開ではないけれど写真を撮るには十分かな。

　車両は一時間に一往復。 二時間ほど滞在し、撮影場所を探したり 弁当を食べたり、世間話をしたりしていた。

　まずは一本目。 上り列車を菜の花を前ボケに使って。 ガードレールや民家がちょっとごちゃごちゃしちゃったかな。

　次に二本目は下り列車。 これも菜の花を前ボケにして。 車体が隠れすぎたかも。

　三本目は田んぼの畝に寝転がって 小さい花を主題に列車をぼかしてみた。

　四本目は逆行で露出をプラスして土手に合わせて 春の爽やかな感じを狙ったが菜の花が足りないし、ちょっと明るすぎたかな。

　そして再び気動車に乗り、猫がいるという高滝へ。

　高滝の猫は比較的人に慣れていてゆっくり近づくと 向こうも逃げずになでることができた。 四匹ほどいたがトラ猫二匹にシャム猫っぽいのが一匹、他は忘れた(*_*)

　ここでは一本だけ撮って山の上にある高滝神社へ参拝した。

　この神社では底のない小袋が本殿にたくさん掛けてあって 妊婦が持って帰ると安産のご利益があるとか 出産後、お礼参りをして新しい袋を戻していく習わしらしい。 ただ、中にはくたびれた袋もあったので 使ったのをそのまま返している人もいるんじゃないのかなと。

　神社から駅へ戻るが次の上りは三十分後。 日が傾きだいぶ空気がひんやりとしてきた駅舎で 座って気動車を待つ。

　そして定刻通りに踏切が鳴り、ホームに入線してきた車両に乗り込み 五井へ戻った。