日本旅行記

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白川郷訪問記

バス往復チケット 高山バスターミナル 高山駅前のバスターミナルから定員の半分の乗客を乗せ白銀の世界を走ること約二時間。バスは白川郷の荻町集落に到着する。旅に出る前はここに自転車で行こうと考えていた事を思い出し、こんな雪道を自転車で無事に走れるわけがないと自分の無謀さに苦笑してしまう。

バスの車窓から 白川郷は富山県・石川県に近い岐阜県北部大野郡白川村にある。豪雪地帯に位置し冬は平均二メートル、多くて四メートル積もる事もあるらしい。そもそも平家の落人が身を隠すために住み始めたのが興りと聞くと確かにそんな感じがする。誰も好き好んで雪深いところには住まないだろうから。ちなみに1995年に富山県南砺市の五箇山と同時に世界遺産に登録された。

 風はなく良い天気だ。しかし、空気は冷たく着込んでいても寒い。

合掌造り民家園にあった木彫り人形除雪機稼動中 強い陽射しが雪に反射して眩しい。これは下手すると雪目や雪焼けになるだろう。見た目は悪いがタオルを頬かむりのように被っていざ散策スタート。バス停降りてすぐの案内所で無料の地図をもらい狭い橋を渡って合掌造り集落へ。放物線状に雪を放出する除雪機が出迎えてくれる。

 大晦日だというのに人が多い。外国人が多く世界遺産として知名度の高さを感じる。三角屋根の並ぶ集落は壮観だ。ただ仕方のないことだが全ての家が合掌造りでないのは残念である。

土産物屋 大通り沿いにはみやげ物や林立しており一般的観光地景観とあまり変わらない。とは言っても五月蝿い客引きはいないのは救いか。中には飛騨定番のさるぼぼのぬいぐるみ、キーホルダー、お菓子。他にも白川郷せんべい、提灯、手芸品、どぶろくなどが売られている。

 集落の所々に公衆便所が配置され観光客に配慮しているのがわかる。民宿や食事処の看板を出した合掌造りの家々も多く見られる。以前聞いた話だと白川郷では観光客相手に商売をして金儲けをしたい人、静かに生活したい人の二種類の人がいるそうだ。観光地として有名になるって良いことだと思うのだけれどそう感じない人もいるって事は何事にも陰と陽の面があるという普遍的な事を再認識させられる。

和田家内部和田家 国指定重要文化財の和田家へ。ここは四百年以上前に建築された歴史のある合掌造り住宅で現在も住居として使われ居住スペース以外の場所を開放し、近世に使用された道具などが展示されている。ここで印象に残ったの蚕が繭を作るスペースを提供する道具。六角形のスペースが蜂の巣のようになっていてそれの作り出す空間に美しさを感じた。

 展望台に上った。ここへ至る徒歩道は雪が深く積もっている。ひと一人通れる窪みを歩いて約10分で到着する。高山や金沢からのバスの停留所のすぐ隣から片道200円で展望台行きのバスが出ている。徒歩道が除雪されていないのはバスを使わせようとする陰謀だろうか。

夕方の集落メインストリート 展望台からは真白な集落が一望できる。屋根の形が全部同じなので見ていて安心感がある。背景にぼかした集落を入れた写真を撮るために雪だるまを作った。 作者の性格が出て形はいびつ。目は十円玉二枚で濁った瞳、口は五円玉でたらこ唇。わずか一分で完成。名前はつまみ君にしよう。手すりが斜めになっていて置いても安定しないので雪で補強してくっつける。まず一枚。なんだか全体がぶれたかも。もう一枚!とカメラを調整していたらガキがすごい勢いのままつまみ君から一メートル程離れた手すりに掴まった。その衝撃で哀れつまみ君手前に落ちて短い生涯を閉じる。

夭折したつまみ君 手抜きで作った割には友を失ったかのような失望感に襲われる。気付いていたのかいないのか子供も子供の親からも謝罪ない。末法の世の中よのぉ(涙)

 二〇〇六年最後の日没を待っていたが太陽の色が変わる前に山に隠れてしまった。残念。

 辺りは次第に白から黒へ変わり日が沈むと寒さが一層厳しくなる。雪が染み込んで湿ってしまった靴で足の指が痛い。案内所隣の待合所で帰りのバスまで座って時間を過ごす。金沢行きの最終バスが出ると待合室は寂しくなる。

バスの表示板 帰りのバスはほぼ定刻どおりにやって来た。乗客は私と中国人女性五人、そして若い男が三人。彼らは次の平瀬温泉で降り高山までは六人と運転手だけでガラガラ。バスの運転手って職人だね。気付いた停留所でしか確認していないけれど時刻表と差がわずか一・二分で運行している。道中の速度を考えて運転しないと到底できないはずだ。定刻より一分早く高山バスターミナルへ戻る。コンビニで夕食を買って寝るかな。

※高山から白川郷のバスはインターネットで空席確認と予約が可能。またインターネットで時刻表を確認できる。高山-白川郷は片道2400円。往復で買うと4300円になる。

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