日本旅行記

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愛・地球博訪問記

岡崎から乗った電車 岡崎を朝早く出て万博会場に到着したのは朝七時半。開場の一時間半前なのに凄い人の群れ。係員が拡声器で「入場券を持っている人は入口へ、引き換え入場券か入場券を持っていない人はチケット売り場へ」とアナウンスしている。入場券を持っていなかったので既に百人以上が並ぶ列の最後尾につく。折角早く来たのに入場ゲートに並べないのは勿体無い。来る前にチケットを買うべきだった。でも、行くのを決めたのが前日だから準備しようがなかったんだけどさ。

 本当であれば八時半から当日券販売開始なのだが人が多かったせいかその十五分前に窓口が開く。約十分でチケットを入手し(四六〇〇円)さっさと入場ゲートへ。ここもめまいがするような長い列。拡声器で「前に詰めて下さい」とアナウンスが流れ、箱を持った警備員が列の脇を行ったり来たりしてペットボトルを回収している。

チケット売り場 九時になり開場のアナウンスが流れ列が動き始める。中に入った人は目当てのパビリオンへドタバタと走る姿が見える。荷物チェックと金属探知機を通り入場できたのは開場してから二十分後。会場内には危険物と缶、瓶、ペットボトルの持ち込みは禁止されている。以前は食中毒対策で弁当まで持ち込み禁止だったらしいがやりすぎだよね。荷物検査はかなり適当でカバンの奥に危険物を入れていてもおそらくばれないだろう。人の目で荷物検査をするなら空港のようにX線で荷物の中を覗いて怪しい鞄だけ中をチェックした方が正確だし早いのに。

入り口 前記の通り来るのを決めたのが前日。ガイドブックはない。情報収集は出発前に公式ホームページをちょびっと見ただけ。どのパビリオンが何を公開しているのか知らない。よって何処へ行くかわからない。なので人が流れる方向へ進むとトヨタや日立館のある企業パビリオンゾーンBに入った。流れに身を任せガスパビリオンで予約券をもらい、三井東芝館に入り待ち時間30分で中へ入った。

三井東芝館 三井東芝館の外観は灰色の細い鉄柱がいくつも地面と平行に並びその上を水がしたたり落ちている。中では観客が出演できるグランオデッセイという映画を上映している。この映画は地球外に植民した人々が宇宙船で地球へ向かうストーリ。船長に加山雄三、その他の乗組員を観客の顔のキャラクターが担当する。

 まず最初に十五人程のグループに分けられ小部屋に入る。そこには四つ窓の付いた業務用冷蔵庫みたいなシルバーに輝いた撮影機があり、化粧の濃いコンパニオンの指示で四人ずつ顔を撮影する。その後、小さなスクリーンのある部屋に入り上映開始。映画のテーマは『人類皆兄弟、そして地球を大切に♪』だと思った。私の顔はガーディアンのリーダー役で出演。結構出番のある役だったな。

ガスパビリオン 次は予約券のあるガスパビリオンへ。炎のマジックシアターと称し火と映像を使いミュージカル風に仕立てたショーをやっていた。津川雅彦に古田新太が映像で登場。内容的にはそこそこ。でも待ち時間なしだったからオッケーでしょ。

 ガスパビリオンを出てマンモスが展示されているグローバルハウスの当日整理券を難なく入手。ここまでは順調。三十分待ちでJRの超伝導ラボで電磁石の説明を聞き、四十分待ち、電力館で作られた日本の四季を楽しんだ。

 この日は快晴。熱中症対策で水分を摂ってくれ〜とアナウンスが流れ各所にある無料給水所が大忙しだった。ペットボトルの持ち込みは禁止されているが会場内で外と同じ値段で買える。普通催事場では割増料金なのにいい感じ。

企業パビリオンゾーンB 会場は広いが、人が多い。日本人が圧倒的に多いがアジア系、中東系、ラテン系、白人に黒人もいる。一五八ヘクタールの長久手会場は企業パビリオンゾーン、センターゾーン、日本ゾーン、グローバルコモン、遊びと参加ゾーン、森林体感ゾーンに分けられていてそれぞれ空中回廊のグローバル・ループで繋がれている。回廊は木板が敷き詰められているが各会場はアスファルトで舗装されていて暑い。環境云々を語るなら舗装は土をプレスしてウッドチップでも撒けばいいのに。雨の日は大変だけれど晴れた日は涼しいと思うんだがな。

Aimulet 企業パビリオン巡りで時間はあっという間に経ち、グローバルハウス入場時間になった。入ってすぐハイビジョンカメラで静止画を撮られる。中に入るとカード大のAimuletなる音声案内装置を渡される。各展示物の上に音声ガイダンスを発信する赤外線装置があり、このカードで受信すれば案内が聞けるのだ。使った感想は・・・全く使えない。(爆) これを客に使わせようと思った技術者の頭の中を覗いてみたい。多分腐ってるぞ。赤外線はまっすぐ飛ぶ電波だから受信の際にちょっと角度が違うだけで聞こえなくなる。その分混信を防ぐのは簡単だけれど工夫が足りないんじゃないの。

マンモスまであと10メートル 最後に動く歩道に乗りグローバルハウスの目玉、マンモスを観覧。あれれれれ、もう終わり!?これを見るのに並んで待つ人もいるのか・・・ 確かに肌に艶があるような感じがしたし、考古学的な価値はあるものだから玄人にはたまらん品でしょうなぁ。

 グローバルハウスを出て一休み。岡崎のコンビニで買ったおにぎりとサンドイッチで昼食。昨夜、夜行列車でこっちに来たから眠い。午前中からほとんど立っていたから疲れたし。けれども、もうひと踏ん張りせねばならぬ。

 日本ゾーンは長久手館も大地の塔も一時間二時間待ちと大人気。既に15:00を回っているし待っていたら倒れそうなので各国パビリオンを巡ろう。

モリゾーとキッコロ 行列のあるパビリオンに並ぶ気力は無く、すぐに入れる国をハシゴする。金ぴかの仏像がありアジアンな国、摩訶不思議な彫像を並べ私を圧倒する某アフリカ国、ラオス館では懐かしのビヤラオ販売、催事場でダンスを披露する国、写真数枚しか展示が無くがらんとした国などなど特色が出ていて感じる所がたくさんあった。そして各国パビリオン内にある民芸品売り場に食事コーナー。土産を買い忘れてもここに行けば大丈夫!久しぶりに旅先の味を思い出したい人にもお勧め。ただ、値段は日本。暴飲・暴食・衝動買いは旅先のようにはできない。

サツキとメイの家 森林体感ゾーンには事前予約した人しか入れない「サツキとメイの家」がある。何それ?って思った人。となりのトトロって知ってますか?トトロと遊んでいた元気な女の子二人がサツキとメイですよ。来るのを前日に決めた身としては勿論予約券があるはずもなく遠くから眺めただけ。遊歩道の途中にトトロがネコバスを待っていた停留場もあったし宮崎アニメファンにはたまらない場所なんだろうな。三鷹のジブリ美術館は大人気らしいし実は企業パビリオンより人気があるかも。

 疲れがピークに達し、眠気が強くなりテンションが下るのに比例して太陽が傾き、やがて月が姿を現した。夜になったのにまだ歩ききれていない。瀬戸会場に浮気してないのになんちゅー広さじゃ。グローバルルーフを走るグローバルトラムと呼ばれるバッテリーで動く連結小型バスや自転車タクシーがおいらにウィンクをして誘惑してくる。それでもおいらは歩く、と強い信念でヘロヘロになりながらも全てのゾーンを歩きとおす。

ライトアップされたカタール館 夜になると会場はライトアップを始める。前を通ったカタール館が田舎のキャバレーみたいな照明で失笑。おいらが以前住んでいたエクアドルはペルー、ベネズエラと組んでアンデス共同館として出展していたが金かけてないのが見え見えで苦笑。料理とか物産品は懐かしかったな。値段はぜんぜん懐かしくならなかったけれど。

 歩いたり待ったりへばったりしながら十二時間以上過ごした会場を後にして自転車でリニモの駅へ向かう。駅に行くには万博のゲート近くを通る必要があってさーっと近くを通ったら警備員が必死の形相で「自転車乗り入れ禁止〜〜〜!」と追って来たので降りる。なんだよって顔をして「リニモに乗るんだ」と告げると「自転車はリニモに乗れない」と嘘を付きやがる。折りたたんでカバーをかければ問題ないと自信を持って答えると黙ってしまった。まったく嘘はやめろよな。

 自転車をしまう間、別の警備員が私をマンツーマンマーク。ご苦労さんと皮肉を言ってリニモで名古屋市内へ向かった。

 地球博のテーマは自然の叡智(Nature's Wisdom)。地球上の総ての「いのち」の持続可能な共生を、全地球的視野で追求するための交流の場として愛・地球博が開かれたそうだ。でも人類の叡智(ま、自然の叡智を借りたものもあるから自然の叡智とも言えるか)が詰まった今までの万博と根本的には変わっていないと感じたのはおいらだけ?それより自然の叡智を表現するために自然を破壊するっちゅうのも笑えるところ。会期終了後、森を復活させるために今までの植層を無視して杉なんか植えたら笑えるんだけどね。

 それと愛・地球博って愛知と地球をかけた駄洒落なのかな。Googleで愛地球博 駄洒落と検索すると一番上に地球博の公式HPの一部が出てくるし。主催者の陰謀を感じます。

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